設立条件
キルギス共和国では、ОсООと呼ばれる日本の有限会社に似た会社形態があります。
有限会社は1人以上の自然人または法人によって設立できますが、すでに他の会社を保有する人(法人含む)が新たに1人(あるいは1社)だけで有限会社を設立することは出来ません。
有限会社の出資者は30人までです。30人を超えて設立する場合は、1年以内にその人数が認められる別の法人格(例えば株式会社など)へ変更する必要があります。出資者の人数を変更しなかった場合、該当の会社は法定手続きに基づき解散されます。
資本金について
有限会社は、資本金が1ソムでも設立できます。登記から1年以内の支払い猶予があります。
期限までに資本金が支払われなかった場合は、資本金を減額させるか、営業活動を停止する必要があります。
有限会社の出資者が既定の額を出資していない場合、支払いが済んでいない額は出資者の負債とみなされます。
なお、資本として認められるのは、現金、証券、動産・不動産、あるいは貨幣価値のあるものの所有権です。資本価値は出資者どうし、あるいは外部機関の評価によって決定されます。
必要書類
有限会社を設立し、登記を行う場合、以下の書類が必要となります。
1. 有限会社設立許可書
2. 出資者のパスポートのコピー(出資者が自然人の場合)
3. 出資者の登記簿謄本(出資者が法人の場合)
4. 有限会社の代表者のパスポートコピー
5. 発起人が登記済みの国で合法的に活動していることを証明する書類の抄本(発起人が外国の法人である場合)※
※発行日から6ヵ月以内の書類が有効です。
会社の定款や設立協定は提出書類に該当しませんが、例外として金融機関などのキルギス国立銀行の管轄にある会社の場合は必要となります。
有限会社設立許可書には、出資者全員の署名をした上で、以下の事項が必要となります。
・登記する有限会社のキルギス語とロシア語での名称
・登記する有限会社の登記住所
・出資者の名字、名前、父称、住所(自然人の場合)
・出資者の正式名称と所在地(法人の場合)
・登記する有限会社の資本金と出資者の出資金の額
・代表者の名字、名前、父称
注意事項
・有限会社設立許可書における代表者の署名には、法人印の押印または公証付きの署名のみが認められます。
・自然人の出資者の署名には公証が必要です。
・提出する書類は原則キルギス語かロシア語で記載します。外国語で記載されている場合、公証付きのロシア語かキルギス語での翻訳が必要です。
登録機関
必要書類の提出先は、法務省または地方局です。その際、登録は「ワンストップ」で行われます。
「ワンストップ」では、法人登記を行う際、登録機関が税務部門、統計部門、社会保険部門への登録を一括して行われます。そのため、法務省または所在地に応じた地方局に書類を提出する際、税務部門や社会保険部門への提出も必要となります。また、法人が規定に該当する場合、独占禁止部門の事前承認の書類も必要となります。
法人印の取得
登記が完了すると、納税者番号(ИНН)が割り当てられます。この納税者番号の発行をもって法人印の取得が可能となります。印鑑の発注と製造は、専門の企業に依頼して行います。
銀行口座の開設
法人登記と法人印の取得が完了すると、法人名義での銀行口座の開設ができるようになります。